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1.ひとりごと

ニュース価値と放射能関連ニュース

最近、イタリアで豪華客船が座礁事故を起こして以来、座礁事故の報道が増えている。
貨物船が座礁 呼子町加部島沖
鹿島港でタンカー座礁
一般の人は、船の座礁事故が増えていると勘違いするだろう。ニュースを読むときに、知っておいたほうがいいことがある。報道機関は、ニュース価値の高い事件・事故から報道する傾向がある。これは、どの国のどの報道機関でも、おそらく例外がない。
例えば、佐賀県で起こった小さな交通事故は全国ニュースでは報道されないが、佐賀県の地方ニュースでは報道される。これは当然で、地元の方がより関連性があるからです。
さらに、ニュースには「鮮度」があり、古いニュースよりも、新しいニュースの方がニュース価値が高いと判断される。
さて、大きな船の座礁事故が一度報道されると、それに関連する事件・事故はニュース価値が高いと判断され、報道される確率が劇的に上がる。だから、先の2つの座礁事故のニュースが今回は報道されたのですが、座礁事故は年がら年中ある一定の確率で起きているので、いままではニュース価値が低く報道されなかっただけです。
しかし、今回のイタリアの座礁事故でニュース価値が上がり、ここ数週間に座礁事故が頻繁に取り上げられると、一般大衆は船の座礁事故が増えた錯覚する。
これは、放射能の報道でも同じです。最近、NHKでは今日の放射能の値を報道するようになったが、では、福島原発事故の前には、首都圏の放射能レベルはゼロだったのか?
ゼロであるはずがない。なぜなら、自然放射線というものがあり、完全にゼロにはならないからだ。というか、ある方が普通なのだ。
しかし、原発事故以来、一般大衆(特に、東北地方と東京首都圏)との関連性が高く、かつ鮮度がいいので、原発・放射能関連のニュース価値が上がって、各社が競って放射能関連の報道をしている。
すると、この報道機関の内情を知らない一般大衆は恐怖心を覚え、さも原発、放射能が今すぐにでも人の命を奪うように勘違いをしてしまう。
別の例だと、あなたが生活しているリビング、食卓、トイレ、浴室でも、はたまは口の中には、顕微鏡などで詳しく調べるとばい菌や雑菌、ウィルスと呼ばれる物質がたくさんある。では、それらの物質が人体に影響を与え、人にすぐに悪影響を及ぼすのか? 
そんなわけない。これらの物質は存在する方が普通なのです。逆にある程度の量であれば、存在した方が都合がいいこともたくさんある。私は医者ではないが、人体から菌が一切なくなったら、人は生きていくことができないだろう。
ばい菌や雑菌、ウィルスなど、改めて知らされないと、気にせず普通の生活ができる。しかし、毎日のように「放射能」「原発」と報道されると、毎日記憶に残っているので恐怖を感じて大騒ぎする。
私は報道機関に勤めたことがあるので、このようなことを知る機会があった。このブログを読む人たちには、心の片隅に入れておいて欲しいと思う。

2012.01.23

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