古市幸雄が考える自己教育とは
あなたは自主トレをやっていますか?
社会人の勉強は自己教育です。
学校教育は「他者教育」とも言えます。教師が生徒(他者)に教えるからです。一方、自分が教師で、かつ生徒でもある教育を「自己教育」と言います。ですから、学生の勉強は他者教育、社会人の勉強は自己教育です。しかし、教育という意味では、どちらも同じです。
国や親が責任を持ってする教育が小・中学校の義務教育です。高校3年間や大学4年間は義務ではないので、「自主教育」とも表現できます。こう偉そうに書く私も、親に学費を出してもらいながら、高校・大学生時代は自主教育のはずなのにイヤイヤ勉強をしていました。「勉強」という言葉は、学校で「やらされる感」があります。
あなたは自主トレをやっていますか?
プロ野球やプロサッカー選手をイメージしてください。試合で結果を出すことが彼らの仕事です。監督の指示に従い結果を出すのは、あなたが上司の指示に従い、仕事で結果を出すこととまったく同じです。彼らはプロスポーツチームの契約社員ですから、監督やコーチから指示されたら練習をします。年俸をもらっているわけですから、これは「義務練習」、または「やらされ練習」と言えます。
一方、自主的にやる練習を「自主トレ」と表現します。「選手が自分で計画を立て、自発的に行う練習のこと」と説明されています。プロスポーツの世界で練習嫌いは大成しません。甲子園などで有名になった後、ひっそり消えてなくなった選手は数えきれません。
会社に指示された業務をこなして、毎月決まったお給料を手にするということは、あなたは仕事のプロです。プロ野球・サッカー選手とまったく同じです。社会人のあなたにとって、強制的に会社で受講させられるセミナーや勉強会は一種の義務教育で、チームから強制された練習をするプロスポーツ選手と同じです。ここで、あなたに質問です。
問:あなたは自主トレをやっていますか?
社会人にとって自主トレとは、自己教育のことです。誰からも強制されてはいないが、自主的に行う大人の勉強のこと。プロスポーツの世界では、「練習嫌いは大成しない」ということを知っているあなたが、「自己教育嫌いでも、ほかの人以上の結果が出せる」と本気で思っているのでしょうか? あなたは何か困っていることがある、解決できない問題を抱えているからこのサイトにたどり着いたはずです。
あなたの資産を増やすためには、自己投資が欠かせません。
ほぼすべての人が、「もっと収入を増やしたい」と考えています。しかし、今のあなたの収入は、学歴や能力・スキルを持った人材である「あなた」という資産から生み出されていることを多くの人が忘れています。それも10年も20年も前に取得した学歴という資産で。拙著でこう書いています。
私たちは数年前の過去の蓄積で、現在の収入を得ているということです。大学での成績・研究成果という過去の蓄積で就職先を得て、仕事での実績という過去の蓄積で新しいポジションを得たり、年収アップをしています。
すなわち、今、自己投資をしなければ、5年先、10年先にあなたがある程度の収入を確保できる保証はないということです。現在、新しい知識を蓄積することが、5年先、10年先に初めて自己投資のリターンとして表れるからです。
株式投資の世界なら、今のあなたの年収は「あなた」という資産から毎年出される配当のようなものです。あなたの資産(人材)価値が2億円で配当が年3%なら、毎年600万円の収入があるということです。もっと配当(収入)を増やすには、資産価値を増やすしかありません。しかし、資産(人材)価値を増やさずして、収入を増やそうとしている人ばかりが目立ちます。
あなたの資産を増やすためには、自己投資が欠かせません。お金を払わないで株式投資からリターンが得られないように、自己投資なくしてあなたの資産(人材)価値は上がりません。資産(人材)価値が増えなければ、収入は増えません。あなたが今日、500万円を金融投資したからといって、配当がもらえるのは約1年後、資産価値が上がってリターンが得られるのは5年後、10年後です。リターンを得るにはタイムラグがあるのです。
しかし、今始めなければ、将来の配当やリターンは絶対に得られません。今日始めたとしても、リターンを得るのは少なくとも1年後です。しかし、5年後に自己投資を始めればリターンは6年後、10年後に始めればリターンは11年後になります。金融投資も自己投資も先払いなのです。リターンを先にもらって、お金は後払いなんて都合のいいようにはなっていません。
あなたにとっての自己投資は、自己教育や自主トレです。
練習嫌いが大成しないと同じように、勉強嫌いは大成しません。資産家でもないあなたが、人生を変えるには勉強以外にありません。自己教育以外にありえません。
それでも、大人の勉強をするのがイヤならば、しなければいいのです。学校教育が終わったあなたに誰も「勉強してください」とお願いをしていません。困るのは、あなたとあなたのご家族だけなので。
冷たい言い方ですが、これが事実です。
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