1.ひとりごと
日本の原発事故対応で思うこと
今回の原発事故の対応の最大の問題点は、原子力事故という国際的な事故問題になったにも関わらず、対応や発表が従来の日本国内向けで、国際基準になっていないことです。
情報を隠蔽していると感じさせる発表、度重なる放射能情報の訂正(1000万倍→10万倍)、発表しない情報あり(放射能の拡散状況)、IAEAの放射能値を日本の機関が計った数値・見解とは違うと否定、さらに原発事故の過小評価:『福島第1原発:「チェルノブイリ超える」東電担当者が発言』
当初から、この原発事故がレベル4というのは過小評価し過ぎるという批判があった。しかし、その後徐々にレベルを上げて最終的に事故から1ヶ月たってレベル7に。この対応の何がいけないかって、世界中の批判を受け、日本が笑い者になったことだ。
乱暴な言い方をすると、発展途上国での事件ならまだわかる。しかし、日本は国際的にも先進国と認められ、さらに世界第2位の経済大国。その国がこのお粗末の対応。日本ブランドが傷ついた。
日本ブランドと言われるとピンと来ないかもしれないが、私が5年近く海外生活をした経験から、国際的にも日本のイメージは「高品質」「安全」「信用できる」だった。しかし、今回の対応があまりにもお粗末で、放射能だけではなく、日本は「危険」「信用できない」というイメージを世界中にばらまいた。
第二次大戦前後までの日本のイメージは、「安かろう悪かろう」「粗悪品」の国というイメージだった。つまり、現在の中国のイメージと同じだった。それを高度経済成長期に「高品質」などのいいイメージに変えることがやっとできたのに。それの証拠に、「高品質」のイメージになってから(実際に高品質)、日本製のカメラ、テレビ、自動車などが世界中で売れた。
今の状況は何かに似ていると感じる。それは太平洋戦争を始めた日本と。もちろん、私は当時生まれていませんでしたが、書籍などからの情報でしかありません。
・国際的な常識や外交感覚がゼロ
・内向きの対応
・現状の客観的な判断が不可能
・指揮する組織が複数(閣僚と軍部)あり、日本としての統一見解がない
・外部からは誰が責任者・担当者か不明
・大本営放送で間違った情報を国民に流す
・国民に我慢を求める
もし、歴史が繰り返されるのなら、これから4年(戦中期間と同じ)〜10年間(戦中4年と戦後の6年くらい)、日本はいろんな意味で地獄を見ることになる。大戦に参加させられた日本国民が地獄を見たように。
2011.04.12