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1.ひとりごと

新型コロナウイルスに関する英文レポートの日本語訳

インペリアル・カレッジ・ロンドン(ロンドンに本部を置くイギリスの公立研究大学)が発表した新型コロナウィルスに関するレポートの要約部分を日本語に訳してみました。

読みやすいように翻訳してあるので、一字一句の訳を突っ込まれても困ります。(^0^;)

おおかたの意味は、ご理解いただけるかと思います。

医療関係の内容なので、英語ができる人が読んでも意味がわかりづらいです。翻訳の間違いを見つけたら、後ほど訂正します。

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タイトル:
新型コロナウイルスによる死者と医療現場に患者が殺到することを軽減するための公衆衛生(NPIs)の効果

要約:
世界的に影響が出ている新型コロナウイルスは深刻で、その脅威は1918年のスペインかぜ以来最大の脅威になっている。

このレポートの中では、ここ数週間でイギリスや他の国々のトップに進言された対策の結果を紹介する。

同ウイルスのワクチンがいまだに開発されていない現在、手洗い、うがい、マスクの着用など公衆衛生(NPIs)が重要な役割になる。これは感染率を下げて、結果的にウイルスの感染数を減らすのが目的である。

ここに記述された結果では、私たちは以前公表されたシミュレーションをイギリスとアメリカの2つの国に適用する。

私たちはこういう結論に達した。隔離など何か特定の対策を取っても、感染の拡大を防ぐ効果は限定的で、複数の感染対策を同時並行的に行うことが必要である。

2つの基本的な戦略がある。

(a)軽減策
これは感染のスピードを緩やかにするが、必ずしもウイルスの感染を阻止するものではない。これを採用すると、ある一定の期間に医療現場に患者が殺到することを防ぎ、同時に重症患者が感染するのを防げる。

(b)抑制策
これは感染の拡大を抑えるのが目的で、感染者数をなるべく低いレベルに抑え、低い感染レベルを維持することである。

どちらの対策も課題がある。

以下の軽減策

  • 感染者とみなされる患者を自宅に隔離をする
  • 家族の誰かが感染者の場合、その人と接触をしない
  • 他の病気の重症患者と距離を置く

を実施すると、感染者が病院に殺到することを2/3まで減らせる(67%減)ことができ、死者の数を半分にまで減らせる可能性がある。

しかし、これをやっても数十万人単位で死者が出る可能性がある。

加えて、それでも病院に患者が殺到する可能性がある。このようなことが起こりそうな国の場合、(b)抑制策を取った方がいいだろう。

イギリスとアメリカを見る限り、抑制策をやろうとすると、少なくとも以下のことを同時に実施するが必要である。

  • 他の人との距離を取る
  • 外出しないで自宅待機をする
  • 家族に感染者がいる場合は隔離をする

学校や大学を閉鎖すれば、さらに効果が上がる可能性があるが、(医師などの)欠勤が増えるために、医療機関へのマイナスの影響もある。

(b)抑制策のおもな課題は以下である。

(政府が)大規模に介入したり、感染率を減らすやり方は、同ウイルスのワクチンが開発されるまで、おそらく18ヶ月、もしくはそれ以上の時間を要する。感染抑制策の手を少しでも緩めると、一度は沈静化した感染がすぐにまた広がる。

人との接触を避けることで、感染の拡大が一時的に穏やかになったとしても、感染が再度広がった場合、対策を再度講じる必要がある。

最後に、中国と韓国の例が示しているように、抑制策は一時的には効果があるが、長期的に効果があるかはまだわからない。 加えて、社会的、かつ経済的コストを軽減できるかも現時点では不明である。

 

2020.03.19

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