教育セミナーの受講と考えれば良心的

「子どもたちが夏休みに入りました。このタイミングでのリリース教材は、まさに時宜にかなったものだと思います。

夏休み期間中は、子どもと過ごす時間が一気に増えて、逆にどのように向き合ったらよいかわからずにいつも通りスルーしてしまう方(特に父親)が多いかもしれません。

子どもたちが夏休みを迎えた今、改めて子どもと向き合う機会になればと思い、教材を拝聴してみました。ちなみに、“父親向け教育セミナー”への参加と考えれば良心的な受講料だと思います。

今年の夏は、昨今の自由な子育て論の潮流に乗って、子どもの自発性に任せて伸び伸びと好きなように泳がせる方が多いでしょうか。あるいは、子どもの勉強不足や成績不振を取り戻すため、勉強に集中させようと躍起になる方もいるでしょうか。

自分の子ども時代を想像してもわかるように『こうしなさい!ああしなさい!』と一挙手一投足まで指摘されれば、猛反発するか、惰性で(嫌々)従うか、逃避するか、どの道多くの選択肢はありません。

猛反発のプラスに振れたら大喧嘩、逃避のマイナスに振れたら引きこもり・・・と、親にとっても子にとっても悩ましくなります。

子育てを難しいと感じるのは、親の思い通りに行かないからか、あるいは子育て一般論ではまったく通用しないからなのか、これはどちらも当てはまるものだろうと思います。

本教材では、この点をずばり、子育てには正解がないからだと断言しています。これは至極当然のことです。

しかし、どうしてもわが子ともなると視野が狭くなりがちで、昨今の教育論者が説く子育てのハウツー・方法論から一過性の魔法の言葉?に至るまで、難局であればあるほど正しい答えを求めてしまうのが親というものです。

古市さんは、同じように子を持つ親として、特にここでは指導者として、随所に手厳しい喝を入れながら巷の子育て論で解決を図る前に行うべき重要事項を繰り返し説いています。

特に、父親として第1に実践すべは“柔軟でブレない大局観”であり、遠近を見通す思考の上で“明確なガイドラインを定めること”であると強調して述べています。

何よりも、基礎・土台となる見えざる要素『目標・戦略・作戦』がしっかりと明確化されてこそ、視覚優位の多様な方法論としての術(すべ)が有効な手段となり得ると説き、いつもながらの身近な実例(サッカー・野球・会社・映画など)を交えて納得の解説が展開されています。

そこでは、自論のゴリ押しで昨今の子育て論をダメ出ししているのではなく、他の追随を許さぬ圧倒的な読書量を誇る古市さんだからこそ、これまで蓄積されてきた膨大な言語・知識(ご自身のプライベート題材も含めて)を再整理し、言葉を紡ぎながら論理が構築されています。

例えば、ドラッカーや老子といった先哲の示唆に富んだ言葉を引用・説明しながら、かつ、禅や易経などの考え方をも踏まえて揺るぎない解説が続いています。

したがって、本教材の観点(対象)を変えて、『親の子育て』を『経営者(管理職)の社員養成』、あるいは『自身の個育て(自己啓発)』に置き換えれば、すべてに通ずる一貫性のある古市さんの論理が存在していることがわかります。

注意深く聴いていれば、表面的には子育て論を喝破してはいますが、見えない根幹部分では自己啓発の個育て論を喝破していることに気づくはずです。

子育てには、厳しいだけの短絡的な『獅子の子落とし』も、放任するだけで芯のない『ゆるり・ゆとりの教育』も、どちらも論外です。

人間に内在する素質・能力を発展させる意図的な働きかけを行うことが真の(芯の通った)教育であり、明確な戦略的思考を持った働きかけ(取り組み)の重要性が古市さんの明快な論理から強く伝わってきます。

子(個)育てには大きなプロセスを要し、その方法に王道が存在しないからこそ、何よりもまず先に地固めすべきこととは何なのか・・・。厳しい言葉の中に、この解を導く古市さんの優しい眼差しと心遣いが感じ取れる100分間でした」K.M様 男性

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