レビュー:君にとって仕事とは?

君にとって仕事とは?

  • ちょっとしたショックを覚えた

「音声教材『君にとって仕事とは』を拝聴しました。古市先生の教材はいつものことながら、今回もちょっとしたショックを覚えました。しかし、それと同時にやはり聴いて良かったなと感じました。なぜなら、社会や世の中の本当の現実や構造が見えてきた思いがしたからです。

現代社会は本当の事実が倫理や道徳で極度に薄められ、オブラートに包み隠されているから、見えにくくなっています。なぜ勉強をして仕事をしなければいけないのか。そのことで子供に本当のことはどういうことなのかを説明することができる大人はほとんどいないと思います。

果たして、世の中とはこういうものだと、真っ向から子供に向かって言える大人が今の日本にどれほどいるでしょうか。曖昧に誤魔化しながら育てて、子供は本当のことが何も分からないまま大きくなっていくのが大半ではないでしょうか。確かに現代の日本は先人たちの大変なご尽力により、過去の時代に比べて格段にあらゆることが改善されて、一応は大変住みやすい国になっています。

だからといって自分たちの人生や生活における問題が全て解決しているわけではありません。現代の厳しい雇用情勢の中で生きる私たちは、現実を直視し、自分に投資をしていかなければ、人生のあらゆることが自分にとって望ましくない、不利な方向に決まってしまうのです。

昨今、『詰め込み教育』といって学歴偏重型の教育方針が批判されていた時期がありました。しかし子供は自分勝手な空想の世界に生きていて、厳しい現実社会を直視していません。

『ゆとり教育』で甘やかされて育ち、いつまでも自分を探しており、未だ自分は社会の中で何者でもないのに、自分が中心に世界が回っていると錯覚を起こしています。そんな子供が社会に適合して勝てるはずがありません。そうではなく、子供は社会に対して圧倒的に無知であり、無力であり、弱者なのです。

子供のみならず、我々はまずそのことを深く認識しなければいけません。教育の原点はソクラテスや孔子が弟子たちに説いた『自分は色んなことを知っているようで、実は(社会のことを)何も知らないんだ』、という『無知の知』から出発しなければいけません。

そして、厳しい現実社会を直視し、それに立ち向かっていく勇気と覚悟を与えねばなりません。子供が社会に出て、自らの手でお金を稼いでいけるように成長させるためには、全てはそこから始まるのです。

この音声教材の中で、古市先生は赤裸々に生の声でご自身の体験を語りながら、真摯に真正面からこの問題に向き合っています。そこには一切の嘘や偽りは無く、綺麗ごとではない、多くの血と汗と涙と労苦を経験してきたであろう、ビジネスマンである父のひたむきな姿勢がひしひしと伝わってきました。

『自分だけのオンリーワンを目指しなさい』なんて、子供に甘い言葉をかけることは一切ありません。『自分の人生を有利に進めたかったら、しっかり勉強して社会における職業観を養い、自分の望む仕事に就きなさい。』と、親として至極当然なことを諭しています。

つまり、これからの子供に惜しむことなく、人生を上手く渡っていくためのノウハウを教えてくれています。ですからこれは非常に有益であり、かけがえなく貴重な価値ある情報です。これから厳しい社会に立ち向かっていくであろう子供に、非常に強力な武器を与えているわけですから、これほど心強いものはありません。

親が真の愛情に基づいて子供に対してできる唯一の事とは、子供が自分好き勝手にやりたい放題させておくことではなく、このようにしっかりと世の中の仕組みと厳しさを教えておくことではないでしょうか。

この音声を聴いて、自分の職業観を自分なりに持たなければならないと、一念発起して勉強に励みだす者と、人生にとって有益である情報を何も吸収しようともしない者とでは、将来の差が歴然とするのは当然のことでしょう。まさにこの点こそが将来、優秀で有能なエリートとなっていくか、または国に税金や年金もろくに支払えないフリーターとなっていくか、その運命の分かれ道だといえるでしょう。

どちらの『身分』がいいか、それは本人自身が決めることです。しかし、すでに競争は始まっており、格差社会の構造はその溝を埋めることなく、ますます拡大しているのです。

聖書にもある、『富める者は与えられてますます豊かになるが、貧しいものは無いものまで奪われて貧しくなる』といった言葉が現代の日本においても実現し、いわゆる『勝ち組』『負け組』といった社会構造ができつつあります。すでに『機会の平等』は失われている。しかし、誰もが同じスタートラインには立っていません。辛く厳しいですが、これが現実です。

にも関わらず、こうした先生の貴重な経験談に耳を傾けないで、自分の力だけを頼って世の中を渡っていこうと考える者もいるかもしれません。しかしそれは自分を過大評価しているに過ぎず、社会はそんな浅はかな考えだけで渡っていけるほど、甘いものではありません。そのような者は社会に出て、その無知なるが故に、多くの辛酸と苦労を味わうだけでしょう。

なにを隠そう、自分もまたその一人でしたから、その辛さや苦しみがよく分かるのです。もっと早く、この情報を知っていれば…と悔しい気持ちがないと言えば嘘になります。

だから自分の子供にはそんな不必要な苦労はして欲しくないと心の底から願います。ただ社会の本当のことを『知らない』ばっかりに、これからの人生でそんな悲しく辛い思いをするのは本当に損だと思います。私にはまだ子供はいませんが、もしできたら音声教材としてまずこれを聴かせようと思います。

そして、しっかりと自分の頭で考えて、自分なりの職業観を持つように教え、勉強するように聞かせます。私も社会人である男として、古市先生の音声教材を何度も繰り返し聴いて、しっかり自覚しなければいけないと思いました。古市先生、今回も本当にいい教材をありがとうございます」 T.S.様 男性 30代 

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